疑問をケース別に解説!結婚式で使う音楽の著作権料

疑問をケース別に解説!結婚式で使う音楽の著作権料

こんにちわ。サカシタサヤカです。ご覧いただき、ありがとうございます。

2013年頃から厳しくなってきた、結婚式で使う音楽の著作権料。

わかりにくい点が多く戸惑っている方も多いかと思います。

そんな声が音楽の著作権料を管理しているJASRAC(日本音楽著作権協会)にも多数届いたようで、今年2019年10月に料金体系などが変わります。

JASRAC担当者の方から直接説明を受け、質問する機会をいただけましたので、結婚式での著作権料について説明します。

実際にかかる料金なども説明するとややこしくなるので、今回は結婚式で音楽を使うにあたって、料金が必要になるのかどうかを、よくあるケースをもとに説明します。

著作権料の基本

著作権料は2種類

一般的に言われている「著作権料」ですが、大きくわけて2種類あります。

「著作権」に対して支払う『著作権使用料』と、「著作隣接権」に対して支払う『著作隣接権使用料』です。

『著作権使用料』はJASRAC(日本音楽著作権協会)に支払い、『著作隣接権使用料』はRIAJ(日本レコード協会)に支払います。

音楽の場合、その著作権料は最終的にその音楽を作った人に支払われます。

著作権とは?

音楽の場合、作詞者、作曲者などの著作物を創作した「著作者」の、人格的な権利と財産的な権利のことを著作権と言います。

何か手続きをしなくても、著作物を創作した時点で権利が発生します。

著作者が自ら管理することもできますが、音楽の場合は著作権を管理する団体へ権利を委託するのが一般的で、その権利を管理する主な団体がJASRACなのです。

そのため、『著作権使用料』は、JASRACへ支払うのです。

いわゆる「印税」として、最終的に著作者に支払われるものですね。

著作隣接権とは?

音楽の場合、レコーディングで演奏した人や歌手、その音源を製作したレコード会社などの権利のことを著作隣接権と言います。

こちらも著作権と同様、手続きをしなくても権利を取得できます。

演奏者や歌手の権利も通常は、レコード会社が管理しているので、著作隣接権は概ねレコード会社がまとめて管理しているのが実情です。

レコード会社を会員として構成する団体が、RIAJ(日本レコード協会)なので、『著作隣接権使用料は』、RIAJへ支払うのです。

わかりやすく言うと・・・

楽曲そのものに対する権利(メロディーや歌詞)について支払うのが「著作権使用料」で、レコーディングされた音源に対する権利について支払うのが「著作隣接権使用料」です。

著作権使用料と著作隣接権使用料の具体例と要不要

ここで1つ疑問があると思います。

著作隣接権はレコーディングした演奏者や歌手の権利なのに、レコーディングした市販のCDを再生する時に「著作隣接権使用料」の支払いが不要なこと。

それは現時点で日本においては、その権利が認められていないからです。

そのCDを複製したら「著作隣接権使用料」が必要なのに、市販のCDを再生するだけなら「著作隣接権使用料」は必要ないんです。

もし手続きせずに音楽を使用したら?

良からぬことを考えてしまう方もいると思います。

もしも無断で音楽を使ったり、CD-Rにコピーして再生したりした場合、見つかったときに訴えられる可能性があります。

「著作権法」という法律で著作権は守られているんです。だから、無断で音楽を使うことは法律違反ということになります。

民事裁判で損害賠償請求をされたり、刑事告訴されたりします。音楽を使用した新郎新婦はもちろん、それに加担したとして結婚式場も処罰の対象になります。

軽い気持ちで音楽を無断使用すると、せっかくの結婚式が最悪の出来事になる可能性もあるので、法律は守りましょう。

ケース別に解説

結婚式の様子を撮影し、DVDにしてもらう場合

これがややこしいんですね。

例えば、入場シーンを撮影してDVDにするという点で説明します。

まず、入場シーンには入場曲を使いますね。市販のCDをそのまま再生するだけなら著作権料はかかりませんが、音楽は入場曲だけじゃないし、結婚式を1枚のアルバム内の曲しか使わないことは珍しいので、入場はこのCD、乾杯はこのCD、ケーキカットはこのCD・・・と何枚も市販のCDを用意することになります。そうすると複雑になり結婚式場の担当者が間違えたCDを再生してしまう事例も多く起こっています。

そこで、結婚式で使う曲はできれば1枚のCD-Rに順番に入れておきたいですよね。そうすると著作権料が発生します。

そしてその入場シーンを業者に撮影してもらって、DVDにしてもらうとき、その動画にも音楽は収録されますよね?無音な映像なわけないですから。そうすると、その映像に対しても著作権料を支払わなくてはいけないんです。

まとめると、入場シーンの音楽に対しても著作権料が必要で、そのシーンを撮影してDVDなどに残す場合にも、その入場曲に対して著作権料が必要です。同じ曲を1度しか再生しないのに、二重で著作権料が必要になります。

ゲストが録画した映像を二次会で上映する場合

では、上記で述べた入場シーンを業者ではなく、ゲストが撮影した場合はどうなるのでしょうか?

ゲストが撮影して、個人で楽しむ場合は著作権料は必要ありません。

でも、それを二次会で上映した場合は、個人利用の範囲という概念を超えているので著作権料が必要になります。

よくあることだと思いますので、注意が必要です。

市販のCDではなく、配信音源を使用する場合

基本的には市販のCDと同じ考えで、JASRACなどの著作権等管理事業者の許諾を得られていれば利用できます。

しかし、配信音源を提供している配信サービスの利用規約に「個人で楽しむ場合に限定する」などと個人利用しか認めていない場合が多いのです。

友人、知人が数多く出席する結婚式は個人利用の範囲を超えていると判断されますので、結論的には使えないということになります。

配信サービスによっても利用規約は異なるので、どうしても配信音源を使いたい場合は、その配信サービスの利用規約をよく確認する必要があります。

プロフィールムービーを自作する場合

プロフィールムービーを自分たちで作る方も多いと思います。

作った映像と、市販のCDを同時に再生すれば著作権料はかかりません。でも、タイミングがずれたりと心配なことが多いですよね。

もしも作った映像に音楽をつけて、一緒にDVDにする場合は音楽の複製に該当するので、著作権料が必要です。

また、写真をスライドショーのように編集した映像と、ビデオなどの動画も使った映像とでは、著作権料の料金が大きく異なります。

基本的に写真などの静止画は1曲400円ですが、動画を使った場合は1曲2000円になります。静止画の金額は2024年に向けて段階的に引き上げられ、最終的には静止画で1曲1000円になる予定です。

歌詞も映像に表示させる場合は、追加料金が必要になります。

余興でカラオケ音源を使う場合

カラオケ店で録音したり、カラオケ業者が提供しているカラオケ音源の権利はカラオケ業者が持っているので、そこの許可が必要です。

市販のCDに収録されているカラオケ音源をそのまま使う場合には、著作権料は必要ありません。

歌詞の一部を替えて歌いたい場合

余興などで歌詞の一部を新郎新婦の名前に替えて歌ったりする場面も多いかと思います。

歌詞の権利も守られているので、わずかであっても勝手に替えると権利の侵害になるのです。

だから事前に許可が必要です。この許可は著作権料とは異なるのでJASRACに確認するものではなく、基本的にはその権利を管理している音楽出版社などに確認が必要です。

許可を得るのに、とても時間がかかるようなので、替え歌を歌う可能性があるなと思った時点で早めに相談することをおすすめします。

まとめ

みなさま、おわかりいただけたでしょうか?

大切な結婚式を法律違反の出来事にしたくないですし、結婚式にて音楽は必要不可欠なので、主なケースの疑問を私なりにまとめてみました。

著作権料は音楽を製作する側にとっては、生活していく上で欠かせない収入源になるので、必要なものではあります。

しかしながら、内容は複雑でわかりにくいのも事実です。

JASRAC自体も結婚式業界での著作権料の在り方を模索しているようで、JASRACの実証実験に協力している結婚式場の場合は特別料金だったりと、様々な料金パターンがあります。

実際に自分たちで著作権料の手続きをするのか、結婚式場が全て手続きを請け負ってくれるのか、などなど手続き方法も様々です。

明確な料金の詳細などは、実際の結婚式場の担当者の方にご確認いただくようお願いいたします。

疑問はクリアにして、心の底から結婚式を楽しめることを祈っています☆

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